●生ごみ処理機で取り組むリサイクル●

生ごみ処理機が普及し始めたのは、約10年前の食品リサイクル法の施行に合わせて、食品残渣をリサイクルにまわす方法の一つとして民間に広がっていった背景があります。

しかし、実際に市販された生ごみ処理機の大半は堆肥やコンポストを作るものであったため、機械を稼動する際の臭気やハエやゴキブリが集まって不衛生になったり、肥料を作る条件がシビアであるため、失敗して生ごみが分解しなかったりと、問題もありました。
そのため、多くの堆肥・コンポスト型の装置は稼動を停止してしまったケースが多いです。

しかも、生成されたコンポストや堆肥も一次発酵品であることから直接肥料として使うには作物には刺激が強すぎますので結果的には得られたコンポストを更に熟成させる施設が必要となり、現実問題としてスペースや手間の問題で、コンポストを肥料として利用するのには困難であることから、多くの堆肥型やコンポスト型の機種はコンポストをリサイクルに利用することもなく産廃に出しているのが現状と聞いています。

消滅型と呼ばれる堆肥型の別バージョンの機種では、頻繁な堆肥の間引きは少ないものの数ヶ月に一回とか、半年に一回のレベルで、機械内部の堆積物を全交換する必要があり、大掛かりになるため交換コストが高く、大量であるために肥料としての引き取り先が確保できないため、これらも産廃処理となっているようです。

乾燥タイプの生ごみ処理機は、堆肥型やコンポスト型よりも処理は安定していますが、業務用レベルになりますと乾燥時の臭気が問題になるケースも多く、特に加熱温度の高いタイプは焦げた臭いが遠方まで流れるとのことです。
また、確実な減容は可能ですが、定期的に乾燥処理されたゴミは発生するので、飼料などへの引き取り先が見つからない場合、結果的に有償で産廃に出すケースが多いと聞きます。

その他、生ごみをメタン発酵してメタンガスをエネルギー源として電気エネルギーを作るなどの試みもありますが、現実問題として管理面やイニシャルコストのハードルが高く、設備導入後の減価償却がまだまだ現実的ではなく、本格的な実用化にはまだ時間が掛かるものと思われます。

弊社のような生ごみを液化分解させるタイプの場合、空気を送り込むことがないので臭気が拡散しにくく悪臭のトラブルが少ない点が評価されていますし、堆肥型に比べて運転条件が幅広いため管理がしやすい点も評価されています。

また、他の方式が生ごみを処理しつづける限り、処理物が発生した際に産廃費用が掛かってくるのに対して、液化分解方式は既存の下水道や浄化槽に流すことができるため、余計な費用が掛からない点が一番のメリットとして評価して頂いています。

しかも、生ごみを液化分解して排水に流すタイプで、ウッドチップなどの不純物が混ざりにくいタイプはセラミックろ材を採用している弊社だけで、不純物が混ざらないから液化分解したものを液肥という形で肥料に利用できるのも他社にない特徴であるといえます。

肥料といえども、植物に必要な肥料の量は知れているわけで、生ごみ処理で生成する分解物を液肥として全て利用できるわけではないので、かなりの量は廃棄しなければいけないわけですが、弊社の方式であれば普段は排水に流しておき、使う分だけを液肥として使用すればよいわけですので無理のないリサイクルの計画が建てられます。

現在、弊社では民間企業様や自治体様、NPO法人様など複数の地域でリサイクルに取り組んで頂いており、コンポストタイプでは10年近く、液肥のスタイルでは3年ほど実際に農作物を栽培していただき実績を挙げております。

収穫された農作物は露地栽培でも水耕栽培でも、味にエグみもなく、成長も早く、甘味のある野菜として従来の化学肥料のみの作物よりも高評価を頂いております。
生ごみ処理機が普及し始めて約10年、当初の目的のリサイクルについて、なかなか実用面では得られた肥料の引き取り先の問題などもありリサイクルの輪が繋がったケースはごく僅かでしたが、弊社のシステムでは肥料にできる部分をリサイクルにまわして、あとは排水に流すという現実的な無理のない形でリサイクルが出来ますので取り組まれるお客様も長続きしています。

弊社では、今後も生ごみ液肥のリサイクルのノウハウや技術を普及していけるようご提案していきたいと考えております。